
公開制作が始まって5日目の朝、観音堂の扉がゆっくり開き、
この地域に住む方が、お参りの後に制作の様子を見に来てくれました。
尾頭より、描き込まれた描写内容をいくつか伝えると
「わぁ~、懐かしい」
「そうそう、こんな感じの橋だった」
「昔はね・・・」
と、大絵馬の隅々まで眺めながら、以前の様子を話してくれました。
この大絵馬制作は、尾頭一人が考えて描いているものではなく、
昨年より、実行委員会の皆さんと定期的に会議を重ね、
実際の現場を見たり、描き込む内容を検討したりと、
地域の皆さんの思いや記憶を少しずつ聞き取りながら準備をしてきました。
絵師の尾頭は、
昔から地域に住んでいる方にとって、記憶として残る情景を出来る限り鮮明に表現し、
ひとつの形として、後世へと語り継げる存在になれば
と考えているようです。
そして今日、その要となる原画が仕上がりました。
制作を続けている尾頭の背後には、大絵馬となる板が設置されています。
7日より、板に線を入れ始めます。
記:山口純子